文楽・大経師昔暦を観に出かけました。塾生10名ほど、鳥越文蔵先生の後ろをゾロゾロとついて歩いた。終演後の会食まで、斯界の泰斗がたっぷり同行するまことに贅沢な1日でした。
ますは、文蔵先生と楽屋を歩く動画を以下に。印籠かざしながら黄門様と江戸の町を練り歩いてる感じですね。出会うすべての人が先生に最敬礼。遠くから「理事長!」なんて声もかかる。人間国宝・綱太夫さんともすれ違って・・・。 そのお人柄と知見・実績のなせる技です。こんな大人になりたいものです。
文蔵先生と楽屋を歩く
今回の鑑賞会は盛り沢山。楽屋口に集まった参加者は、まず隣接する伝統芸能情報館へ。文楽の歴史資料が展示されています。まあ、通常はあまり入らない施設ですね。でも今日は文蔵先生が一緒ですから、違います。先生の解説付きで、展示品を順に見ていきました。なるほど〜ってことがぞろぞろ出てきます。
上の動画は、情報館で展示された番付のお話しをされる先生です。
情報館の後は、例によって楽屋・舞台裏ツアー。初めての人も多かったのですが、世話人はもう何回か経験済み。でも、冒頭に書いたように、今回は「黄門様」が一緒なので楽屋での雰囲気がかなり違いましたね。文蔵先生の大きさを改めて確認。丁寧な人形の解説などもあり、ともかく充実。文楽初体験の塾生は、あまりのことに少々絶句気味だったのじゃないか? どうでした?
公演は近松の世話物「大経師昔暦」。え〜、経師屋の妻おさんと手代の茂兵衛が人違いで不倫関係になっちまって、奥丹波まで逃げるのですが、捕まっちゃう、って話し。スミマセン、低レベルの説明で。終演後の会食では、この物語の人間関係や登場人物の行動に対して議論百出。
何より、正徳5年(1715年)初演のこの戯曲が、300年を経た現在でも多くの人々の議論を呼ぶというのが凄いですね。近松門左衛門の創造力です。
終演後は、六本木に移動して会食。文蔵先生と、奥丹波隠れ家の段を語った竹本三輪太夫さん(文蔵先生の早稲田の教え子だそうです)と手代助右衛門(悪者です)を遣った吉田文司さん(第59回和塾講師)も同席。楽しくてためになる、ありがたきひとときでした。
文蔵先生と三輪太夫さん
文司さんと世話人さん
文蔵先生、三輪さん、文司さん、ありがとうございました。