[シリーズ企画] 正統なる日本の節句を楽しむ〜第1回 上巳・雛祭り

日本人にはかわりゆく季節を楽しみ、それとともに暮らす豊かな喜びがあります。

季節を区切る「節句」は、そうした暮らしを彩る大切な行事なのですが、昨今すっかり存在感を薄めていますよね。ハロウィーンやクリスマスに押されて、日本ならではの季節の喜びが失われている。

グローバルであることを求められる現代だからこそ、オリジナルな風俗への知識は重要です。だから、今こそ「節句を楽しむ」。

和塾ですから、あくまで本物で。日本文化の守り人としても各界の尊敬を集める「東京吉兆本店」に集い、上巳=桃の節句・七夕=乞巧奠(きっこうでん)・重陽=菊の節句を楽しみながら学ぶ、3月・7月・9月の3回連続の企画を実施しました。

まずは、第1回目。桃の節句の様子をお届けいたします。

「桃の節句」「ひなまつり」ともいわれる上巳の節句は、女の子の節句とされ、雛人形やその調度類を飾り、桃の花・白酒・菱餅などを供えて女児の健やかな成長を祈るもの。雛壇に人形を飾るようになったのは江戸の中期からで、それまでは畳の上に毛氈を敷いて飾っていたそう。「桃の節句」と呼ばれるのは、旧暦の上巳の頃に咲く桃には邪気を祓う力があるとされたからです。

 

東京吉兆本店の豪華な雛飾りを愛でながら、上巳の節句特別懐石のお料理の数々を堪能いただきました。

 

食後には、箏曲演奏家の石本かおりさんと伊藤江里菜さんによる春の調べを観賞。美しく優雅な音色に聞き入りました。