ー雅楽ー吉田穣覚先生 第十九回 はん居和塾

今回のお稽古のテーマは『雅楽』。
先生は吉田穣覚(よしだじょうがく)先生です。四谷にある法恩寺の副住職でもいらっしゃいます。
狩衣(かりぎぬ)姿がみやびです。

雅楽とはもともと朝廷の儀式にかかわるもの。今は笙(しょう)をはじめとする楽器の演奏や踊りのことを指して雅楽と呼びます。
私たちが『雅楽』といって思い浮かべるのは楽器の演奏かと思いますが、意外や意外、雅楽の7割はうたなのだそうです。

お稽古のなかで、先生が用意くださった雅楽のCDを少しずつ聴かせていただきました。普段”早く早く”といった生活を送っている現代人の私たちにとっては、気が長くなるほどののんびりとしたリズム。
平安時代は、牛車に乗ってどこかの屋敷に出向き、夜中まで演奏していた・・・というような音楽だったのだそうです。
しかし、体の奥深くに眠っていた日本人としてのDNAが呼び覚まされる調べなのか、聴いているうちに気持ちがゆったりとしてきて、とても心地よくなりました。

雅楽とは、もともとは大陸から伝来したもので、日本で1200年以上も前に確立された世界最古の管弦楽です。そしてその間、しっかりした状態で伝承されているのと同時に、洗練され続けてきた音楽であるということを伺って、日本人であることに大変誇りを感じました。

雅楽の楽器としては、笙(しょう)をはじめとした3種の管楽器の他に3種の打楽器、2種の弦楽器があり、いちばんシンプルな雅楽は笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、龍笛(りゅうてき)の管楽器だけで演奏されます。

吉田先生のご専門は笙(しょう)です。笙を実際に拝見したのは初めてで、実際に手にとらせていただきました。17本の細い竹からできていて、息を吹きこみ穴を押さえることによって音が鳴るという仕組みです。演奏する前に温めておかなくてはいけないのだそうです。
先生が少し演奏してくださいましたが、狩衣姿の先生と笙の音色に、とたんにお稽古場は平安時代の宮廷のような雰囲気に。とても優雅な気分を味わうことができました。

実際の雅楽を聴く機会は、今では少なくなってしまったとのことでしたが、秋に吉田先生が演奏なさる演奏会がある予定とのこと。是非伺いたいと思います。