贅沢に落語を愉しむ和塾恒例「お座敷落語」。十三回目を数える今回も満員御礼にて開催いたしました。料理屋の座敷に噺家を招き、マイクもスピーカーもなしで、ホールや演芸場では体感できない落語本来の繊細な魅力と迫力をご堪能いただくこの企画。今回は桃月庵白酒師匠をお招きしました。
桃月庵白酒師匠は、愛嬌のある風貌やキレのある語り口、ほどよく毒の利いた「まくら」で現在一番勢いがある噺家です。美声でどんな役も演じ、ユーモアや言葉遊びのセンスも抜群。プロデュースいただいた落語評論家の山本益博さんも「美声の上に、噺の運びがリズミカルで、口調がなんとも心地よい。」と、その声に惚れている逸材です。
ご参加のみなさまには、江戸中期創業の鰻料理屋「伊豆榮」にお集まりいただき、まずは白酒師匠と山本益博さんの落語噺を。
そして、待ちに待った白酒師匠の一席が始まりました。今回ご披露いただいたのは「寝床」。大店の主人による素人義太夫節から何とか逃れようとする長屋連中の大騒動で、ことあるごとに聞くに堪えない奇声、嬌声を張り上げる旦那が見もの。白酒師匠の雄叫びに会場は笑いに溢れました。
白酒師匠の爆笑落語を聴いた後は、ふっくら香ばしい伝統の江戸前鰻と季節の食材による昼餉をお愉しみいただきました。