2021年7月、2人形浄瑠璃文楽の人形遣い・桐竹勘十郎さんが重要無形文化財各個認定(人間国宝)に認定されました。父である二世桐竹勘十郎師、師匠の吉田簑助師に続く三代での人間国宝。時代を画する新人間国宝の誕生であります。
そこで東京・国立劇場での文楽公演の鑑賞と合わせ、この新しい国の宝の誕生をお祝いさせていただく会を催しました。
当日、まずは人形芝居観賞前に老舗料亭「赤坂浅田」にて、お馴染みの名調子元NHKの名アナウンサーで古典芸能解説の第一人者・葛西聖司さんによる舞台の見どころ勘所の解説を拝聴。そしてそこに桐竹勘十郎さんご本人のご登場です。今回特別に、舞台出演直前の貴重なお時間を頂戴することが叶いました。
14歳で入門されてからの修業の日々や吉田簑助師匠のこと、今回のお役『加賀見山旧錦絵』のお初についてなど時間の許す限りたっぷりお話くださり、ご参加のみなさまに人間国宝の人となりを間近に体感いただけた貴重なひとときでした。
お話をお楽しみいただいた後は、いざ国立劇場へ。勘十郎さんら人形遣いに、物語の語り手である太夫、随奏する三味線方で三業と呼ばれる技芸員が織りなす至芸の舞台を、一等席にてたっぷりと鑑賞いただきました。最初から最後まで、特別で稀少で贅沢なひとときでした。