栃木県那須郡にある広重美術館で学芸員を務める。2006年、1923年(大正12年)の関東大震災により行方が不明になっていた歌川広重の旅日記「甲州日記写生帳」を発見した。
甲州日記は、歌川広重の旅日記。表題が「日々の記」と記された前半部と、「心おほへ」と記された後半部の二部から成る。明治期に翻刻され内容は知られているが原本は前半部が1923年(大正12年)の関東大震災により焼失し、後半部の『甲州日記写生帳』は行方がわからなくなっていた。広重の甲州日記では旅中の風景や甲府滞在、甲府城下における幕絵制作や歓待の様子が記されており、文章やスケッチなど広重の筆跡がわかる資料としても注目されている。
市川信也
いちかわしんや